移民と政治メルマガ 第2号(令和8年2月22日) 

「外国人問題、移民政策に関する野党の立場はどうか?」 

 

前回のメルマガでは、政府自民党の外国人の受け入れ政策、移民政策の経緯と問題点を指摘しました。 

 

政府・自民党は2019年の特定技能制度の導入から一貫して これは「移民政策ではない」と説明してきていますが、岸田政権の下、2023年6月に無期限更新・家族帯同を認める特定技能2号を大幅に拡大したことを転換点として、実質的に移民受け入れ政策を始動し、拡大してきたと評価してよいでしょう。 

 

人口構成という国全体に影響を与える問題にもかかわらず、国民全体での議論もなく、政府はなし崩し的に移民受け入れを進めてきました。 

 

その結果、特定技能制度の下での在留外国人の数は2019年末時点で1千数百人程度だったものが、2025年6月時点で33万人とものすごいスピードで増えてしまいました。 

 

それでは、自民党以外の他の政党は、外国人の受け入れ政策、移民政策についてどのような主張や公約を掲げているのでしょうか。 

 

 

◆連立与党の維新は、人口戦略方針の策定と数量規制を重要視する 

 

昨年10月に高市首相と維新との間で連立合意が成立した際、維新は自民党と以下を合意しました。 

 

・人口減少対策本部を立ち上げ、子育て政策を含む抜本的な人口減少対策を実行 

 ・外国人の受入れに関する数値目標や基本方針を明記した「人口戦略」をつくる 

 ・外国人及び外国資本による土地取得の規制強化の法案を策定する 

 

 外国人問題、移民問題を国家のあり方を大きく左右する問題であり、同時に日本人の人口減少にも関わる問題であるから、まずは戦略・方針が大事だと主張しています。 

 

 また、数量規制が維新が主張するポイントのひとつです。1月9日、維新の藤田共同代表は「外国人政策の肝は量的マネジメントだ」と述べています。 

 

また、外国人政策などに関する調査会会長を務める高橋英明衆院議員は、政府から聴取した現段階の検討内容に不満を示し「しっかり組み立てないと、日本の将来に大きな影響を与える」と記者団に強調しています。 

 

直ちに外国人受け入れを停止すべきという強い主張ではないですが、その重要性から上限を明確に数量的に定めるべき、日本人の人口減少の課題と共に抜本的に取り組むべきというのが維新の立場です。 

 

 

◆中道改革連合は、自民党よりも移民受け入れを推進する積極派 

 

中道改革連合、いわゆる中革連は、その綱領において「多文化共生」を掲げ、「日本人と外国人が互いを尊重し、ルールを守りながら多文化共生社会を目指す」としています。 

 

移民政策については、「外国人労働力の受け入れ拡大」、「移民政策の事実上の推進」が党の立場といってよいでしょう。 

 

中革連の前進たる立憲民主党は、外国人労働者の受入れを前提とした制度整備や定住・共生政策に肯定的でした。また、公明党は外国人との共生社会を推進し、外国人に対する権利保障の強化を主張してきました。 

 

中革連の野田共同代表は1月25日、「総量規制」について「時期尚早ではないか」と否定的な見解を示すとともに、「多文化共生庁」の設置も選択肢だとの認識を示しています。 

 

 

◆国民民主党の外国人政策、移民政策はわかりにくい!? 

 

玉木代表率いる国民民主党は、政策集などにおいて外国人・移民政策を独立した項目として掲げていません。 

 

玉木代表は移民推進を否定していますが、受入れの是非や管理の在り方についての政策スタンスは必ずしも明確ではなっておらず、有権者にとってはやや判断しづらいところです。 

 

昨年、NPOの移住連が行ったアンケートに対し、同党は、「外国人の受け入れは、その能力が存分に発揮されるよう日本語教育支援等を国が主体となって行うと共に、日本国民との協働・共生が地域社会や生活の現場においても推進されることが大前提です。」と回答しています。 

 

移民推進には留保を付していると解釈できるでしょう。 

 

 

◆参政党、日本保守党は旗手として移民推進に反対 

 

参政党は昨年の参議院選挙で「日本人ファースト」を掲げ議席数を伸ばし躍進しました。 

 

同党の外国人政策、移民政策はわかりやすく、外国人労働者の積極的な受入れに明確に反対しています。 

 

また、移民政策、外国人政策に関連して主張している具体的施策は17個あります。 

 

 ・外国人総合政策庁の設置と外国人受入れに関する中長期計画の確立 

 ・出入国管理の厳格化 

 ・外国人による不動産取得規制 

 ・不法移民の取締り強化 

 ・治安の悪化対策 

 ・帰化要件の厳格化 

 ・インバウンド・オーバーツーリズム対策 

 ・外国人への生活保護禁止 

 ・私学助成、留学生への奨学金問題 

 

出入国管理、不動産取得規制のみならず、治安、帰化、生活保護、私学助成など広範囲にわたって外国人への「優遇」を是正するための具体的施策を打ち出しているのが参政党の立場のポイントでしょう。 

 

また、同じく日本保守党も移民政策について明確かつ強く公約を掲げている政策です。 

 

同党の基本方針として「移民政策の是正―国益を念頭に置いた政策へ」と題して、入管難民法の改正と運用の厳正化、経営・管理ビザの相手国制限、特定技能2号の家族帯同を大幅に制限、外国人への生活保護給付の見直しを掲げている。 

 

 

◆共産党・社民党は移民の積極的受け入れ推進を主張 

 

共産党、社民党は、外国人労働者の積極的な受入れ推進を主張しています。 

 

移民受け入れの推進の極致として、定住外国人への地方参政権の付与も主張しています。 

 

単に経済のみならず政治面でも移民、外国人を日本人と同等に扱っていくというのが同党の立場です。 

 

共産党は、昨年年末に全国的に行われた「移民政策反対」デモが行われた際、日本共産党神奈川県委員会は独自に「差別、分断を許さない」と訴える宣伝を行い、移民政策に反対する市民に対して「レイシスト帰れ」などと抗議したと、公式HPで報告されています。 

 

 

◆自民、中革連、社民、共産は移民推進。日本保守、参政は反対 

 

総じて、各党の主張は分かれているといってよいでしょう。明確に移民受け入れ反対を主張しているのは、日本保守党、参政党のみです。 

 

自民、中革連、社民、共産は、理由は違っても、移民受け入れ推進の立場です。 

 

維新や国民民主はその管理を強調していますが、その方向性はあまり明確ではありません。 

 

2月8日に行われた衆議院の総選挙においても、参政党、日本保守党などは外国人政策、移民問題を争点として訴えていました。 

 

今後の各地の選挙や国会での議論、メディア報道やSNSにおいて移民問題がさらに議論される可能性は十分にあります。 

 

引き続き、動向を注視していきたいと思います。 

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